インスリンの「空打ち」は必要?空打ちの目的とは?
インスリンの空打ちは面倒くさい
こんにちは。
これをお読みの方で、インスリンを注射している方はいらっしゃいますか?
どのメーカーのインスリンを使うときも,体へ注射をする前に2単位(ランタスXRは3単位)試しに空中に向けて打つようにと説明がありますね。これをインスリンの「空打ち」と呼びます。
でも,1回空打ちするために,2~3単位も必要となると心象としてはあまりよろしくないですよね。だって,インスリンは一本300単位で1000~2000円ほどするもの。
安くない薬だし,なんだか勿体ないですよね。
それでも、「空打ち」が必ず必要な理由は何でしょうか?
それは・・・・
「気泡の除去」
「針中にインスリンを充填するため」
などなど・・・いろいろな理由が言われますが,いちばんの理由は

筆者撮影
注射針が不良品でないかの確認です。
インスリンの注射針は、たまにといいますか、けっこうな割合で不良品がまじっており
開けた時点で曲がっているものや、インスリンに装着したときに折れてしまうものに遭遇することがあります。筆者もインスリンを使用していますが、たまに遭遇します。
あと、何回も針の使いまわしをしていると、インスリンや血液などで固まったりすることがあり、これも詰まりの原因になります。
「インスリン注射針は1回使い捨て」これを厳守するということです。
やむをえず複数回使う場合は、空打ちは必ずしてくださいね。
おまけ インスリン注射時の消毒について
インスリン注射前のアルコール消毒に関してはどうなんでしょうか?
日本においては、消毒が必要と患者さんに説明することが多いですが、
WHO(世界保健機関)は「明らかに皮膚が汚れていなければ感染は稀であるため,消毒は省略可」と説明しています。
実際に国内から皮下注射前の消毒に関する論文も出ておりますが、結論としては消毒をしないことはあまり問題なさそうです。
いっぽう、フリースタイルリブレとかDexcomなどの持続血糖測定器、インスリンポンプなど、体に長く入れるものを穿刺するさいは消毒が必要と感じます。
医療従事者の方は、ご指導の参考にしてみてください。
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