絶食不要な経口GLP1-RA「オルフォルグリプロン」の承認申請が間近というのが話題に。
こんにちは。
あたらしい経口GLP1受容体作動薬「オルフォルグリプロン」の承認申請が目前、という話題がもちきりです。今回の記事では、あたらしい経口GLP1受容体作動薬「オルフォルグリプロン」について解説します。
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2型糖尿病治療薬として開発された「GLP-1受容体作動薬」。最近は、その減量効果から肥満症治療薬としても使用されており、流通制限・ダイエットクリニックでの使用問題など話題に事欠きません。
さて、経口のGLP-1受容体作動薬といえば、現在すでに使用できるのはリベルサス(セマグルチド)です。HbA1cの改善や体重減少効果が確認され、注射に抵抗がある方へのよい選択肢となっていますが、空腹時に水だけで服用し、その後30分は飲食を避けるといった制約があり、わりと面倒な制約からその使い勝手の悪さも指摘されてきました。
そうした中で、「マンジャロ」などを販売している製薬会社イーライリリーは、新しい経口GLP-1受容体作動薬「オルフォルグリプロン」を発表しました。
以前発表されたオルフォルグリプロンの治験、肥満症の方を対象としたATTAIN-1では、72週間で平均12%以上の体重減少が得られ、10%以上減量できた方は6割近くに上りました。2型糖尿病を対象としたATTAIN-2でも、HbA1cの改善に加え平均10%前後の体重減少が報告されています。
「服薬条件がシンプル」というのは、毎日内服が必要な糖尿病治療薬にとって利点がありますよね。リベルサスのような空腹時の服薬制限がなく、1日1回飲むだけでよい設計になっており、日常診療での使いやすさが格段に高まると考えられます。
そんなわけで、オルフォルグリプロンは現在上市しているリベルサスの完全上位互換として使用される見込みと思います。
さて、いつから使える?という点ですが、イーライリリーの発表によると、まず2025年内に「肥満症」を対象に承認申請を行い、続いて2026年には「2型糖尿病」を対象に申請する方針を公表しました。承認申請が通っても実際に発売されるまでは通常半年ほどかかるため、臨床現場で手にできるのは2026年以降と考えられます。
承認申請から発売までは少し時間がありますが、実際に使える日を見据え、今から情報を整理しておきたい薬剤です。
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