糖尿病治療の歴史を一変した発明といえば?
こんにちは。
先日、SNSである話題で盛り上がりました。「医学史を変えた革新的な薬や技術は何だろうか?」というものです。

自分の分野(大腸がん)だとたぶん二つ。
一つ目は手術支援ロボット。特に「ダビンチXi」は米国Intuitive社の第4世代機種だが、2014年に発売されたこの機種が未だに世界シェアのナンバーワン。
実際、圧倒的に使いやすい。
さまざまな診療科の医師が、手術支援ロボットや新薬、治療技術など挙げるなか、やはり糖尿病の分野としてはアレひとつしかないかなと思われました。さて、皆様はわかりますでしょうか?
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やはり一番の転換点といえば、1921年のインスリンの発見でしょう。
それまで糖尿病と診断されることは、ほぼ「死の宣告」に等しいものでした。厳格な食事制限でわずかに寿命を延ばすことしかできなかった時代に、インスリンが登場したことで、多くの人が命をつなぎ、生活を送れるようになったのです。
ただ、最初の頃はインスリンはガラスの瓶に入っており、太い注射針で自ら体に打たなければなりませんでした。お腹や腕には青あざが絶えなかったといいます。その後、精製技術が進み、豚や牛の膵臓から抽出していたインスリンは、やがて遺伝子組換えによってヒト型インスリンがつくられるようになりました。副作用も減り、より自然な形で体に取り込まれるようになったのです。
さらにはペン型注射器や持続皮下インスリン注入ポンプ、持続血糖測定器との連携に至るまで、インスリンを取り巻く技術は目覚ましい進歩を遂げています。最近では、AIを活用した自動インスリン投与システム、いわゆる人工膵臓に近い仕組みも実用化されつつあります。
インスリンは「薬」というよりも、糖尿病をもつ方にとって人生を取り戻すための「発明」でした。100年経った今も、その意義は変わらず、むしろ技術革新とともに進化を続けています。
P.S. 皆様の身近なもので「歴史を一変した発明」で思い浮かぶものはありますか?
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