「とにかく痩せろ」の時代から、「瘦せすぎはよくない」時代へ
こんにちは。
皆さんは、ご自身の適正体重について相談されたことはありますか?
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体重って、糖尿病と切っても切れない関係ですよね。
昔は『血糖が高い』といえば、とにかく食事を減らして体重を落とすことが最優先。『痩せろ痩せろ』と繰り返し言われてきた時代がありました。もちろん、過剰な体重はインスリンの効きを悪くして(インスリン抵抗性を悪化させ)、血糖マネジメントを難しくします。
でも最近は、痩せすぎによるデメリット、特にサルコペニアやフレイルのリスクが注目されるようになってきました。
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サルコペニアとは、加齢や糖尿病そのものの影響で筋肉量と筋力が低下し、日常生活の動作がしにくくなる状態のことです。進行するとフレイルへとつながります。フレイルは、加齢に伴って心身の活力が低下し、介護が必要になる一歩手前の状態です。
簡単なセルフチェック方法としては、「指わっかテスト」があります。これは、親指と人さし指とで輪っかをつくり、ふくらはぎの部分をかこむことができれば筋力低下のサインになります。
ほかには握力の測定です。男性で27kg未満、女性で18kg未満の方は要注意です。
ほかにも、椅子から立ち上がるのに時間がかかる、階段の上り下りがつらい、といった変化もサインのひとつです。
もし、ご自身あるいはご家族に、こういった兆候があった場合は主治医へ相談してくださいね。
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診察室でも、血糖値が高くなると『とにかく食べないように』と助言されることはまだあります。でも筋肉は血糖の「受け皿」としても大事な存在。筋肉量が減れば、血糖を処理する力そのものが落ちてしまいます。だからこそ、無理な食事制限だけに頼らず、筋肉を保つことも同じくらい大事なんですよね。
場合によっては、食事制限をさらに強化するよりも、薬の量や種類を調整したほうが、血糖マネジメントとうまく両立できることも多いです。糖尿病とともに歩む方にとって、『痩せすぎも良くない』という考え方は、これからの新しい常識になっていくはずです。
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