糖尿病の治療の目的は
「楽しい糖尿病ライフ」のため
こんにちは。
突然ですが、糖尿病の治療って、いったい何のためにあると思いますか?
「血糖値を下げるため」「HbA1cを安定させるため」・・・といった答えが思い浮かぶかもしれません。 もちろん、それもとても大切なことです。
でも、それは本来の「目的」ではなく、「手段」のひとつにすぎません。
本当に大切なのは、合併症を防ぎながら、無理なく、自分らしく、たのしく暮らしていくことです。
目の前の数字に振り回されない
糖尿病の治療というと、まず思い浮かぶのが「食事制限」。そして、「血糖値を下げる」「HbA1cを下げる」ことかなと思います。
でも、それだけが糖尿病治療の目的でしょうか。
はい・・・もちろん、血糖値の安定は大切ですが、それはあくまで合併症を防ぐための手段のひとつですよね。
よりよい糖尿病ライフを送るために数字を追いかけすぎた結果、ケットウチやヘモグロビンエーワンシーの数字に振り回される方も多く、本末転倒と感じることもあります。
なぜか広く薦められている過度な食事制限!
血糖が高いといわれた。
じゃあ、糖質を大幅に減らして血糖値をコントロールしよう。
この方法は糖質制限とよばれ、一見わかりやすい解決策に見えます。
しかし、この方法は、肥満が原因で糖尿病を発症した方では有効なのですが、ほとんどの方で推奨されない方法といわれています。逆に、極端な食事制限は、本来必要な栄養素が不足し、結果的に体力が落ちてしまったり、かえって将来的にインスリンをつくる能力が落ちてしまう、など、 体にとってデメリットが大きいことが分かっています。
食事に関しては、逆に「1日どれくらい食べられるのか」を前向きに考えたうえで食事をとる方法が長続きしやすいかなと感じます。これは筆者が幼い頃から糖尿病といわれており、糖尿病であることが当たり前と感じているからかもしれません。
さいきんは「あすけん」などの管理栄養士が監修したアプリなどもありますよね。あれは栄養が少なすぎても怒られるので、いい傾向になってきたなと思います。
運動をはじめてみよう
ぜひ運動をはじめてみましょう。
運動といっても、歩数を1日500歩増やす、エレベーターを使わない、くらいのことでも結構効果があります。大事なのは続けることです。
なお、糖尿病をもつ人が運動すると、一時的に血糖値が上昇する場合があります。これはアドレナリンなどのホルモンが血糖値を上げるからと言われています。実際、血糖が上がるからと逆に運動をやめてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、長い目で見るとインスリンの効きがよくなったり、筋肉量が増えて結果的に健康寿命が伸びる、など、 トータルではメリットが大きいとされています。
とはいえ血糖値のために運動するという考え方は精神衛生上あまりよくない気がします。たのしく続けられるように、気晴らしや趣味の一環としてやるといいかもしれません。
血糖値以外のリスクを一つ一つ潰していく
糖尿病の合併症は、神経・眼・腎臓、加えて足えそ、脳梗塞や心臓病が有名です。
実は、これらの合併症は血糖値だけが原因ではないということはご存じですか?
糖尿病合併症というと、血糖値を気にしてれば防げると思われることも多く、実際に昔は血糖値だけみてればいいという医者もいたのですが、最近になり、血圧やコレステロール、たばこ、そして低血糖の回数など、さまざまな要因が複雑に関与していることがわかってきました。
とくに若いときから糖尿病をもつ人は、血糖以外のリスク因子への対策がおろそかになってしまいがちです。
例えば、たばこを吸う方は心血管リスクが大きく上昇しますし、 低血糖の頻度が高いと心臓や脳への負担が大きくなることも分かっています。
せっかく糖尿病の治療を頑張っているんだから、しっかり予防はしたいところですよね。
結局は「トータル」で考えるのがカギ
糖尿病治療のゴールは、合併症を防いで長く元気に過ごすこと。
ケットウチだけをみて振り回されずに、無理のない範囲で「どう適切に続けるか」。
忘れがちですが、ゆるゆる楽しい糖尿病ライフのために大事なことです★
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