糖尿病でも果物は食べていい?その理由と適量は
こんにちは。 診察室でよく聞かれる質問の一つに、
『糖尿病があるけど果物を食べてもいいの?』というものがあります。
結論から言えば、『食べたほうがいい』です。
以上!おわりです!ゆるゆる楽しい糖尿病ライフを!
・・・すみませんでした。以下、解説になります。
糖尿病があると、果物の甘さが血糖値を上げてしまうのではないかと心配になる方もいますよね。
しかし果物はビタミン、ミネラル、食物繊維など、体にとって必要な栄養素をたくさん含んでいます。特に食物繊維は、排便リズムをととのえたり、腸内環境を良好にしたりする働きも持っています。
また実際、糖尿病を持つ方でも、適量の果物摂取をすると心疾患(狭心症や心不全など)のリスクを抑える効果もあることが実証されています。
これは果物に含まれるビタミンやミネラルなどの抗酸化物質や食物繊維が、血管の健康を保ち、心臓や血管の病気を予防する働きを持っているからと考えられています。
でも、食べ過ぎると血糖が上がりすぎるのは他の食べ物と一緒です。無限に食べてもいいわけではありません。
では『適量』とはどれくらいでしょうか?
腎疾患などで特にカリウム制限などがない場合、一般的には1日に握りこぶし1つ分くらいが目安です。例えばりんごなら半分~1個程度、みかんなら小ぶりなもの2個程度が適量です。
「適量」というのは、「毎日これくらいはとったほうがいいよ」という量です。
なお、腎疾患のある方はまた別ですので、カリウム制限があるかどうか主治医に確認してください。
また、果物はそのままの形で食べることをおすすめします。
ここで注意なのが、ジュースやゼリーなどの加工品になると、食物繊維が減り糖分が凝縮されるため、血糖値が急上昇しやすくなります。先ほどあげた「心臓や血管の病気を予防する働き」も無くなってしまうことがわかっています。
そして、食べるタイミングも大切です。果物は食後のデザートとして、または間食の際に少量をゆっくり食べると良いでしょう。空腹時に果物を多く食べると、血糖値が急激に上昇しやすくなるため(いわゆる血糖スパイク)注意が必要ですね。
果物を食べることは、糖尿病の治療において食生活を楽しむためにも重要なポイントです。適量を意識しながら、糖尿病と上手に付き合っていきましょうね。
追伸:
ちなみに筆者はドラゴンフルーツ、キウイフルーツが好きです。
皆様は何がお好きですか?
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